水土の礎 キッズページ サイトマップ ご意見・お問い合せ
水土の歴史年表 地域の礎 水土の成り立ち 大地への刻印 国土を創造した人々 礎の歴史的展開 近代日本の礎 水土の巧
part.1 国土と人々 part.2 国土づくりの歴史 part.3 技術の歩み
井戸を掘る



 上総掘りは、かんがい用水を雨水に依存せざるを得なかった千葉県の上総地方で明治の中ごろに成立した、掘り抜き井戸の技術である。
 掘り抜き井戸は、地上から鉄棒などで地面を突いて細い孔を掘削し、地下水を自噴させる。上総掘りの特徴は、掘進するに従って長くなる掘削具の接続にヒゴと呼ぶ小割りにした孟宗竹を用いることである。それまでの方法は、鉄棒や樫棒を用いていたため、突きおろした掘削具を引き上げるのに多大の労力を必要とした。上総掘りはヒゴを使うことで軽量化を実現し、また弾性に富むヒゴは巻きとることが可能で大幅な省力化につながり、2〜3人の労力で400〜500m以上の掘削力河能となった。



 上総掘りの掘削は、掘り鉄管を用いた掘削とスイコによる掘り屑の浚渫を繰り返して行われる。掘削時には、粘土水を注入する。孔中の粘土水は、加圧され、壁面から地層中に浸透する過程で壁面に微粒子の膜を形成し、孔壁を保護する。また、掘り屑を浮かし浚渫の効果を高める。
 粘土水の利用は、上総掘りが成立する以前から行われていたが、現代のボーリング技術にも通ずる技術である。
 掘り終えた井戸は、真竹製の竹樋を挿入して保護された。
 



インドで発行された上総掘りの技術解説書
『KAZURA SYSTEM』
 上総掘りは、水神講を中心に結束した職人たちにより全国に普及し、水井戸の掘削だけではなく、新潟県や秋田県の石油掘削や各種の地層探査にも用いられた。そしてこの技術がその後のボーリング技術発展の素地ともなっている。
 明治35(1902)年には、インドで、その技術解説書「カズサ・システム」の第二版が刊行されているほか、現代でも、発展途上国の経済的・技術的条件に適応した技術として、技術提供が行われている。
前のページへ 次のページへ