▲写真撮影:国土地理院
奈良県北部に位置する大和平野の一帯は、香川県の讃岐平野と並んでため池の密集地帯、つまり、少雨地域でもあり、大河川が存在しないという特徴をも持ち合わせています。
しかし、讃岐平野のため池が相互に接続されて階層構造をなしているのに対して、大和平野のため池は河川や用水から直接水を受けているケースが多く、ひとつひとつ独立しています。特に、近世以前には、集落単位でため池をつくって必要な水を確保している場合が多く、複雑な水利慣行をともなった水社会は現在もそのまま生き続けています。
この地には、日本という国が成立した時代(1,500年以上前)に都があり、古代からため池による農業水利が行われていました。時代が下り土地の開発が進んだあとに、水不足を解消する形でつくられたため池も数多くあります。