08:「まもる」幹線水路図(拡大)


▲嵐山の一ノ井堰
(渡月橋の向こうに
見える白いラインが一ノ井堰)



▲鶴の舞橋
(提供:水土里ネット青森)

ここまでにあげた水路、堰、ため池、その他さまざまな施設は、いまもその緻密な水社会を保ったまま、農地を、日本の国土を支えています。もちろん、ここまでに紹介できなかった同様な水利施設が、全国各地に数多く存在します。日本の水利施設の総資産は、約25兆円に相当します。
そして、この歴史的遺産を現在も守り継承しているのが「水土里ネット」という組織です。 水土里ネットは、水系単位のオーナーシップ制で運営されており、その水を受ける農家が集まって、比較的小さな共同体で分散管理がなされています。その数は全国で7,000。
今日では、その水利資源を生かして、農業用水路を使った小規模水力発電を行ったり、環境用水として整備したり、農村の公園を創出するなど、さまざまな活動を行っています。
環境への対策を熱心に行っている水土里ネットも数多くあります。保安林を所有して、山林と用水の一体管理を行ったり、景観に配慮した水路や池の工事を行って、周辺地域の美観改善につとめるなど、事例はあげればきりがありません。
水土里ネットが現在管理している水路の総延長は、実に40万km(地球10周分)。この広大かつ精緻なネットワークが、日本の国土を創り、日本の水を創り続けているのです。



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